わたしの夕暮れ/千波 一也
 

むらさき色に
宇宙がのびていくのを
見た

小さな
わたしの夕暮れ


家々の窓には
サーモンピンクが
反射して

遡上の川を
わたしは想う


街灯がともるには
ほんの少しだけはやい
オレンジの刻

わたしの影は
匂いとなって、また明日
なつかしそうに
さまようの


いまはもう
青くはない空だけど

それは確かに
青かったから

ほんのり苦い
わたしの夕暮れ






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