聖域なき未来に少女がみた世界/済谷川蛍
 
学を期待されている同級生や、街を歩いてる大量のスーツ姿の人間たちよりもよほど怜悧な存在と向き合っていると感じた。雨脚が強くなり、頭上の黒雲から荘重な雷音が鳴り響いた。
 「雷が危険です。降水量も20mm増加しました。早く帰宅したほうがいいでしょう」

 帰宅して服を着替え机に向かってパソコンを起動した。彼女は学校裏サイトの場所もパスワードも教わっていなかった。きっと今頃自分に関する話題で盛り上がっていることだろうとほくそ笑んだ。テキストファイルに「殺害リスト」というファイル名をつけて、同じクラスの生徒の名前を出席番号順に入力していった。まずは自分のようにイジメられ候補に入っているであろう日蔭
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