【 図形 】/泡沫恋歌
 



 【 雪花 】


雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹雪く道を駆けて行く
誰にも見られぬようにと
あなたが待つその場所
冷たく凍えるこの肌
貴方の胸で温めて
女の視界を遮る
乱れ舞う雪花
情念の焔か
恋の道行
道なき
恋に




 【 詩作 】

誰でも詩は書こうと思えば書けます
だが本物の詩を書きたいと思えば
詩人は慢性的に不幸でなければ
心に響くような詩は書けない
いつも孤独で傷つきやすく
愛を渇望して
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