ガーゴイル/三条麗菜
 
都市を
 見守ることだ
 心配することはない
 この鳥は今に石になるのだから
 役割を守ってさえいればいいのだ
 それでこの鳥は幸せになれる

遠くの雲の切れ目からは
天使の階段と呼ばれる光が
地上に降り注いでいた
都市が汚れた空気で満たされているほど
その階段は鮮やかに浮かび上がる
そして魔物は叫んだ
金属が鳴るような声で
そしてけたたましく笑った
その声は都市に響く
翼をゆっくりと羽ばたかせ
今にも空に飛び立ちそうだ

 お前は誰だ?
 ここに何をしにきた?

私は答えた
この鳥を
助けにきたのだと

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