青い夜は孤独を装う/
空中分解
遠くで黒い煙突が三本ぼくらを眺めている
カラスが夜を迎えにいく少し前に
船の汽笛が鼻をかむ
ポロー ポロー ポロー
遠吠えしている喪服の野獣は
煌めく闇を愛すと叫び
鋭い牙をぼくに剥く
ポロー ポロー ポロー
近づいてくる最後の夢は
黒く艶やかな体を洗い
匂いを嗅げと脅迫する
ポロー ポロー ポロー
立ちこめる無は肺を焼き
これ以上はないと言うほどにぼくらを無視し
静かな夜の到着を知らせる
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