転校生/北大路京介
な手法を見た男子生徒たちが、木下を真似て、ぼくの隣も俺の隣もと騒ぐ。
「では、公平にクジで決めよう!」
叫んだのは新條だった。
新條は易者のように割り箸の束を手にしている。
全部ハズレでアタリはない。
最後まで残った新條のクジがアタリとなるという寸法で、彼は内心「俺って、かしこーい」と笑っていた。
しかし、木下が
「よーし! じゃぁ、殺し合いじゃ! 桜子は、生き残ったやつのもんじゃ!」
と、叫ぶとすぐに新條の横っ腹あたりに牛刀包丁を突き刺した。
「ひええぇぇぇぇぇぇ!」
教室に男子女子の悲鳴が響き渡る。
「だれかー! 救急車をー!」
「保健の先生呼んできてー!」
騒然となった教室の中、桜子は気を失って倒れた。
桃井桜子は、それから姿を現さず、他の学校へ転校していきましたとさ。
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