イカルス/雅寛
懐かしい夢を見たよ。あの頃の夢さ。
そうさ、君が居て、僕が居て、皆が……、居た頃。
君は何時でも夢の中では可愛くて。
……夢から覚めると、疲労感と、僕を失う。
何時も夢から覚めると弱い自分が嫌に成る。
気怠い位、美しい朝に、僕は夢遊病者に成る。
何度も見た君の所へ行く夢、だけど、君は僕の事が嫌いだし、恐い。
だから、僕は何時でもそこに行かなかった。
遠去かる意識の中、僕は心の中で君の居る方角に逆さに十字を切る。
あの公園へ行くと、悲しい位白い天使の羽が散乱している。
君は千切り取った天使の翼を悲しそうに笑いながら僕に差し出すんだ。悪魔みたいに。
僕は長さの合わない羽根
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