フランソワ/茶殻
お姫様の人形を汚すこどもたちの笑顔
まちが健全か否かを計るすべを知るために
/仮にその娘をフランソワとする
フランソワには許婚がいて
実の父と母よりもふさわしい親がきっとどこかにいる/
開きっぱなしの水道が砂に川を造る
さまざまなボールがもう一度転がる時を待っている
/フランソワの部屋にはたくさんの本がある
それはフランソワが姫だからであって
姫のための音楽や姫のためのドレスも変わらない/
世界は処女じゃないと思う
けれど世界はもしかして童貞ではないかと疑うこと度々
/硬くなった火を見つめていて
フランソワは続いていく時間の速度を
首筋より先には伸び
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