失われた空(二)/信天翁
 
  もがりぶえを真似し始めた
       公園のそよぎに
もつれ雲も羊雲も戸惑ったのか
  淡いひかりだけが寂しげに
 鬼瓦の眠る家並みをふちどる
           そして
ゆがんだよわいのかげをぼかす

   直結しているのだろうか
       かぜのそよぎは
     ひかりのおののきに
     「生」のあけぼのは
     「死」のたそがれに
        漂うねいろは
      ともされた灯明に

     あぁ 虚空の緞帳に
  いとおしく投影されている
   それはいったい何だろう
戻る   Point(1)