零と壱/
四帰
夜を吸わないでいると 朝を吐きだせないので
重いまぶたをつりあげて 寂漠のけむりを一本 くわえています
やぶれた羽根 まだ鳴き止まない
みえないおもりを突き刺して
透明な視界のうらがわ うるむ一筋の正義は溢れてしまいそうだ
右のかぜはぼくの頭をなでおろし
かたわらの静けさは、明日にはきっと となりの屍に変わり
あたたかさとともに ぼくの手から逃げ出していくのです
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