ノート(呪文)/
木立 悟
はじかれては爆ぜ
はじかれては爆ぜ
坂の闇に散る金の音
水をたたえた月の音
標は変わる
標はまわる
夜と交じわる道の上
涙と光に満ちてゆく
きらきら近づき
きらきら遠のく
予兆は白く流れ落ちては
蛾の羽の跡を浸してゆく
笑みは笑みのまま花になり
約束のないまま約束になる
ひらいたからだにたどりつく粉
見えない起伏に積もりつづける
月は雲から離されて
独りの光を歩みゆく
夜は口唇を閉ざした指で
光の傷を手のひらに描く
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