星の見る夢/雅寛
七夕の0時に叶いもしない夢を見るのさ。
描くストーリーが全て終わってしまったのだから。
甘い錯乱に塗れた僕が夢見る夢は、
僕と君が結ばれる遠い遠い星の輪廻。
霞んだ睡眠の中で、僕等は一瞬だけ再び出会う。
神経の枝が細い赤い木、膨らむ事の無い、果実をもぎ取って捨てる。
流星群が逆再生して元の星へ戻っていく。
その微かな輪廻を永遠に繰り返すのさ。僕等だけ。
何処までも君を求め歩く景色が詰まらなかった。
倒れる僕に走馬燈が田舎じみた景色を遮断してくれる。
月蝕の夜の景色の中で、僕等は何時でも永遠に微笑い合える。
現実さえ捨てれば夢さえ薔薇色さ、君はもう赤い線を引く事は無
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