血は余った皮にも流れている/花形新次
 
そこがすべてを決める
場所でもない

少しぐらい
いい感じだからと言って
どこにでも通用するとは
限らない

大概は
勘違いに他ならないのだが

誉めそやされると
そんな気にもなるもので

目立たずに
静かに暮らす
あのひとを
時に
甘く見たり
時に
軽く扱ったり

不意の
反撃をくらって
はじめて
気付かされるのだ

「血は余った皮にも流れている」

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