君に/シャドウ ウィックフェロー
もういない
時間とともに思い知る
致死量飲みたい日にち薬
君が買い飲み残してるアブサンを
飲みきることのできない未練
暗闇に瞳を凝らせば柔らかな
視線がなぞる日常の部屋
ひと以外のものを載せてはならないと
エレベーターにされた貼り紙
ふと君が後ろに続く気配して
エレベーターで押す開ボタン
時は過ぎゆくことの別名
そして記憶は戻りくる代名詞
失ってやっと気がつく思いなら
癒えることなく疼け傷跡
死に顔に化けて出ろよと囁いて
眠れぬままにじっと待つ夜
宙に身を躍らせたとき君
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