ふたつの末期/usoni
まっしろな青だった
思考が感触であふれていて、
すきな人にすきな人はいなかった
そうして皮膚に火がついて
はだしの夜
自分の声がうるさくて眠れない
痛みはすべて彼女のものだった
目は覚めない、わたしを安心させようとする薬
沈みながら
触りたいのに、それはわたしの肌だった
(鏡にキスをすれば、それでいいのかな)
舌がざらざらして
眼球のうらがどきどきしてる
指も身体も唇も、まっしろな血管を這うようなあの妄想
彼女がすき
すきな人にすきな人はいないけれど
わたしは、
もうひとりのわたしがすき
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