低気圧/アラガイs
 
光は針金のように固い
重力が暴走する
…不在に真空な夜………と、なにやら霞む
月に残る足跡も
海溝を湧き出る圧力にじっと耐えている…尾根の枝も…「表示が……薄く…混乱している…… ……何処にいても朝は冷たい
…風が雨粒を誘う
空気が重く街にのしかかる
いつのまにか周りはにぎやかな色で埋めつくされていて、少し息が苦しい
マフラーが細い巻き毛な絡まり、女の子は窓際に張り付いた
こつん、こつん、硝子を叩きながら老夫婦が笑顔で手をふっている
わずか三百?足らずの速度でも時間にすれば半日とはかからない
また会えるときには月もその姿をかえて
波と時間とが引き寄せあう空白な日になる
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