まっしろ/
さすらいのまーつん
まっしろだ
この紙は何でこんなに 真っ白なんだ
記憶の無い海のように
僕は小船から釣り糸をたらす
何か言葉が引っかかるのを 待っている
まっくろだ
この鍵穴は何でこんなに 真っ黒なんだ
誰ひとり気づかなかった 問いかけのように
僕はジーパンのポッケをまさぐる
何かピッタリくる答えを 探している
この紙はミルクみたいに まっしろ
触れてくる手を切り裂くような 無垢のかたまり
いっそ一思いに飛び込んで 溺れてしまおうか
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