オーニソプター/竜門勇気
高校生のスカートが
湿った風ではためいて
僕は地獄の底にいる
気持ちのいいことは
部屋の中にしか無くて
外にある
綺麗で頭がおかしくなりそうな風景は
僕とは関係のないことだと
やっと気づいたのさ
休耕田でオーニソプターを飛ばしていた
くすんだ色の虫が歩くたびに沸き上がっては消えていく
眼鏡の内側で小さな宇宙が生まれて死ぬ
黒いフレームの外は多分永遠
尾翼の調整をしながら泥濘を駆けまわって
汗で汚れたレンズを赤いシャツで拭ってると
永遠に触れた気持ちになった
そしてどんな困難でも乗り越えれるって気持ちになって
はちきれそうなぐらいゴムを回して
力いっぱ
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