もうそこには居ない/
空中分解
ドレスの裾から火をつけて
跳ねる音の隙間を縫って
一気に駆け上る
白い布が炎に包まれ
街の明かりを消してゆく
取り残された感覚が
遠くで聞こえるサイレンが
闇に浮かび上がる自身と
他人を結ぶ合図の様で
それで初めて
満たされて
それが悲しみで
一種の音楽で
卑猥な落書きで
夜で
そして
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