一分の絵/中川達矢
 
額縁が
絵の一部かどうか
ピカソに問えば
立体がどうのこうの
つまり
分析すればわかるらしい
見れば
平面じゃないか
世界は
あのように三次元だと
定義づけるならば
映画館で流行っている技術で
人生売っていますか
それはそれはお高いのでしょうが
外見で判断しないでくれ
中身だ
その時代の絵の具の成分の
美しさを見て
美しいと言うから
描かれている主題を捨てて
言葉で判断しないでくれ
観念だ
でも
ピカソはもういないよ
だから
立体ももうないよ
分析できないよ
泣きごとで
染まっていく布地
それでも
盗まれるのは
額縁だ
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