髪/草野春心
 


  冬の浜辺の
  一本の髪の毛を
  さびしさ


  と、読んだあなたの
  ほんとうの名や
  構成物などを
  とんと知らぬぼくを、
 

  つぎの光が
  波間にひらめく刹那
  あなたが
  なんと
  読んでくれるのか




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