臓器のかなで/乾 加津也
 
肩上から指先にむかってながれる一本(くだ)を
ふき こすり たたけば
装置はあやしく
黄昏もする

段々畑にくみあがる椅子に 沈み
ホールそのもの

しずくのような響体構造が 浮く
口内に含み 移す されるわたしの
心拍いちども 増幅したがる単調は
もううんざりと言っている
なぜオーケストラ
目をふせて さそう かざす
てんたいかんそく


「気管をすっと刺しいれた
 處(いわ)」


 (大声で)外は激しいかあ

  (・・・わたしは 初めに いいたかった・・・)

 宵やみに 星
 明けの放佚 よろこび踊る川辺の小人の
 とめど わきでる
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