秋風/
シホ.N
秋の風がやってきて
酸素をたっぷり運んできたので
僕はなんとか息をもちなおしたのだった
空は高くなったので
僕の周りの空間も広がった
圧迫と窒息からまぬがれて
今またわずかに力を回復する
しかしまた
なにやらほかの恐るべきものが
笑いながら秋風とともにやってきたらしい
僕はもはや
身構えたりしようとも思わない
そして僕は
こんな感覚世界を超えたところで
僕の形なき身体が
実体もないくせに
ぷらぷらと
中ぶらりんになっているさまを観じた
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