茶色い木/
番田
そこに 意味などないのだが
枯れかけた木が立ちつくしている
言葉もなく木は 立っていた
風に 吹かれて
失業者となったばかりの私の目の前を通り過ぎる
微かなため息だけが いつも
遠い 過去の記憶を運んでいるような気がした…
人が死んでいく
そうして 人が 生まれる
今日もその繰り返しが
途方も無い時間のように思えた
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