いち/にち/乾 加津也
朝
つめたい交わり 踏切だけで三十の詩が書けるという人は
亡霊のような突き指をする
昼
エール飛び交うマウンドで少年たちの夢を食べる獏は
消化不良で怒り目になる
夜
お菓子をどうぞと配ってまわる女性社員の後姿
包みチョコは机の片隅
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・綿毛のマフラーのように
・・・・・・・・・・・・・・・・・・幹のまわりをとりかこむ葉
・・・・・・・・・・・・・・・きみたちにはもう憂き目もないね
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・堆肥の重みに
・・・・・じっとり濡れて痩せほそる繊維(フィブリン)にもにて
・・・・・・・・・・・・・・・やがてくるわたしの分裂をさそう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かるい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トキシン
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