いつの日か、二人で/番田 
 

私が見た夢は何なのか
過ぎていく幻の中で
いつも私が見ていたもの…
それは現実なのだが
明らかに異国の風景を思わせる
遠くにそびえる街の中で
私が一人で手にしてきたもの
多くは 縮れた粉のよう…
流れる人が過ぎていく
鋼鉄の車が走っていく
そして まるで 音楽のように
気に止めることもなかった
薄暗い東京の色々な風景が
音も立てずに過ぎていく…
誰に何を言うこともなく
何も 絵にすることもなく
そこから 消えていくのは楽しい…
金を得たところで何になる
死んで残るのは 屍だけ…
私はいつものようにとても疲れた
行くあての無い夜の街を
一個の女の体を探して
どこに行くのだろう
私には何があるのだろう

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