初秋/ねなぎ
 
少し肌寒さを感じて
久方ぶりの
背広に手を通す

その時に目にした光景は
特に何の意味もなく
朝日が眩しかった

そして
物語は
終わりを
見つけられずに
続いて行く

それは
平坦で
平凡な
現状

今度は普通に
会えたら良いねとか
良く解らない事を
言ったりしながら

日曜日の
夕方に
扇風機に当たりながら
夕飯を待っているような

当たり前で
有り触れた
日常

流れるような風景に
僕らは息をして

都電荒川線の
警告音が
響きながら

カーテンは閉じたまま
外の風景を
遮断したまま

昼も夜も
解らな
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