I CAN'T TAKE IT NO MORE/ホロウ・シカエルボク
 




「君は自分の脳漿をデザインするんだ」と68歳のミック・ジャガーが新しいチームと共にずっと俺に話しかけている。月曜日の覚醒は雨。追悼の様なぽつぽつとした雨だ。午後に一度上がると思ったのにまた降ってきた。レインコートの中にいると自分がすばしこいだけの虫になったみたいな気がする。日常なんてものに幸せを探すのは愚の骨頂だ。そんな理屈に屈していたらこの世で一番幸せなのは牧場の牛や豚ということになりかねない。脳味噌が石膏で固められてる気がする。秋は凍えさせたかと思ったら汗をかかせる。俺は一般的な人間ではない。別にこれは自惚れではないし、かと言って不必要な自虐でもない。俺は一般的な人間ではない。
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