私は、ただ、苦しむ人として、そこにいた/一 二
く
少し遅れて入ってきた俺を見て
葬式のような雰囲気になったのは
言うまでもない
緊張して飯が入らなかっため
馴染みの定食屋でうどんを食べる
なんで俺は
一度きりの人生に
今しかない青春に
こんな惨めな思いをするのだろうと思った
ただ女の子の友達がいて
楽しくお喋りしながら食事をする
という当たり前のことが
何故こうも上手くいかないのだろうかと
惨めでしょうがなく
なにより親に申し訳なかった
女の子の友達を作るのは来世で頑張ろう
何故だか、重力すらも煩わしい
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