光の棺/
草野春心
から中空に放たれ、顔の
無い男が鏡を撃つ……自らを撃つ。
傾いた青空の下で、犬の瞳が少年をとら
える。犬の瞳が少年を映し、少年の瞳が
遺体を映し……発火点を忘れられた炎の
奥で、暗闇がそっと濁る。苛みは少年の
肉体を内側から押し広げ、彼は永遠へと
苛まれてゆく……一つの風が、もう一つ
の風へと姿を変え、すぐに還ってくる。
……光の
無数の粒子は
きみを蔑み
きみを脅かし
犬の瞳が
少年をとらえ
彼は
その部分にだけ
多くの土をかぶせる}
戻る
編
削
Point
(5)