愛の言葉/涼深
貴方が囁く愛の言葉なんて
もう要らない
それが真実のものだなんて
思わない
切れる寸前の蛍光灯のような
途切れ途切れの白い光に手を伸ばす
この耳に届く頃には
誰かのノイズが重なり
受容する器には
拒むような亀裂が走る
何もかも無意味な行為なの
光は掴むことはできない
器は許容量を超えている
耳に残る空っぽの愛の言葉
白い光が滲む
もう要らない
まだ欲しがってる
嘘と知ってる
まだ信じてる
罪悪を感じない貴方
不規則に明滅する白い光
まだ愛してる
愛してる
愛してる
偽りでもいい
何も聞こえなくなるその前に
過負荷な愛の言葉を下さい
『いっそ華々しく散るために』
戻る 編 削 Point(4)