愛の言葉/涼深
 
貴方が囁く愛の言葉なんて
もう要らない

それが真実のものだなんて
思わない


切れる寸前の蛍光灯のような
途切れ途切れの白い光に手を伸ばす


この耳に届く頃には
誰かのノイズが重なり

受容する器には
拒むような亀裂が走る



何もかも無意味な行為なの
光は掴むことはできない
器は許容量を超えている


耳に残る空っぽの愛の言葉
白い光が滲む


もう要らない
まだ欲しがってる

嘘と知ってる
まだ信じてる


罪悪を感じない貴方
不規則に明滅する白い光


まだ愛してる

愛してる
愛してる



偽りでもいい
何も聞こえなくなるその前に

過負荷な愛の言葉を下さい


『いっそ華々しく散るために』
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