殺風景/花キリン
 

ご愁傷様とは言葉だけで
カップラーメンの時間を気にしている

それでも身だしなみと
朝の挨拶だけは忘れたことがない
住宅もごみも台所も
みんな一緒の集合住宅だから
にこりと笑っておかず一品を手にすることができるなら
偽善の挨拶の一つや二つは

味わうことの少ない
できの悪い話ばかりが並んでいる
クレージーな時間が多すぎて
どことなく噂話のように干乾びている
するりと通り抜けられる路地裏の
立ち話みたいだと
諦めてはいるのだが



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