旅立ち/
佐藤伊織
誰もが自分が生きることが
よくわからなくて
誰もが自分でない誰かが
大切で
そして誰もが
心に冷たいものが流れている
「いつだって歩き出せる。」
そう言って
光の中へと消えていった
いつだって 少年、少女は
光の中へと消えていってしまう
ここではないどこかへ
自分のいきることをしに
それぞれのいきかたで
誰もが自分が生きることが
よくわからなくて
誰もが自分でない誰かが
大切で
そして誰もが
心に冷たいものが流れている
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