お片づけ/千波 一也
 

瞬きを
見上げてる





きみが
すきだった公園のことを
ぼくは描かなかった

そこから見える
雲のすきまや
街路樹の葉や
信号の静けさ

そういうものなら
描いておいたけど

きみに
見せる日は
来ないだろう





捨てるという
所作や言葉はあまりに
冷徹だから

決まりごと
そう呼ぶように
ぼくは心がけている

誰かにとっては
散らかったありさまに
映るとしても

なんとなく








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