宇宙(そら)へ/
夜雨
(展かれた瞬間(とき)に)
シャラノ木の真白い蕾に
小さな夢を封じ込めたまま
ふっくりとふくらんでゆく初夏の夕べに
初めて水の入った田に
蛙たちが恋の予感に震え
唄声を響かせる
遥かな宇宙(そら)へ
さあ、旅立とう
野良着を窓辺に脱ぎ捨てて
触れ合う指先から
生まれたばかりの風の中を
遥かな、宇宙(そら)へ
戻る
編
削
Point
(0)