やくそく/高梁サトル
 

胸の中が空っぽになるまで
明日の足取りが軽くなるように

泣き止んだら
あの頃のように顔を上げてごらん
そして思い出して
生きることに精一杯になってしまう前の
まっさらだった頃
みんな同じだったろ
隣の子と自分を比べることがあったかい
きみはきみのままで満たされていたはずなんだ

どんなきみも最高さ
どんなきみも愛してる

僕たちはずいぶん歳が離れていて
きみの赤ちゃんの頃をよく覚えてるよ
僕の指を握り返した小さな手のことも覚えてる
言葉を覚えて初めて喧嘩した日のことも
もちろん
パパが亡くなったあの日のこともさ
隠れて泣いてたきみに
掛ける言葉を思い
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