上海夜/うめぜき
生きている人がおそろしい匂いを放っている
動物のようなクラクション
雑多な陽射しが交差しながら
肌や、路地や、建物や、自転車や、青い看板やら、を焦がす
おそろしい匂いを放っている
リズムや高さが違う人々の眼差し
私は人知れず
瞼を閉じたくなるのだった
ネオンが灯る頃になると
誰かが誰かに見せびらかせたい上海夜が姿を現し
その向こう側
おぞましい匂いの中で
誰かが誰かを
獣のように抱いているのだろう
おそろしい匂いは
香水の瓶のようなビルディングの隙間に
封じ込められている
が
今もなお
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