つくせぬ手紙/
乾 加津也
(あまった翅は/すてておしまい/水に刺して流しておしまい)
せつなの
友よ。
きみの夢は抱えきれないほどの報酬をつれてきみのもとへ戻りましたか
やあ ずいぶん老けたもんじゃないかと
すぐに懐を開いて
それともまだわたしのように
子どもじみた嘘(いいわけ)で負惜しみの晴天にひょいと逆立ち
近ごろはどんな些細な選択ひとつにも
大きな声で答えたくて
しかたないのです
夜風にしだく いつかの
友よ。
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