君の猫/草野春心
き
あざやかな鋭さで光が
僕たちの裸体をえぐっていった
君の猫は
どこかうすぐらい地の底で
汚泥を踏みしめてひっそりと歩いてゆく
やがて君の猫は鼠を食べるだろう
君の猫は昆虫や砂や、その他
なにか得体の知れないものを食べるだろう
君の猫は恥辱を感じるだろうか
君の猫はほんとうに僕を恨むだろうか
彼はいつか
まばゆいばかりの
光に
海の蒼さに
もう一度出会えるだろうか
最後に君は
君の裸体は
僕の指に指をあて、眉をひそめながら
あっけないくらい滑らかに
一つ一つの皮を剥ぎ、肉をそぎ
一つ一つの
無愛想に尖った骨をしゃぶってゆく
なんの味がするのだ
誰の味がするのだ、君の裸体は
一つ一つ、尖った指の骨をしゃぶってゆく
何をしているのだ君の、僕の
僕と君の裸体は
もう
ただの
透明な残骸だというのに
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