裏庭に唄うカエル/
つむ
、
月を吹き消し私は踵を返す
実験用の裏庭で唄は続いている
後ろ手にガラス戸を閉めて座り込み
誰にともなく微笑んでみせる
街のように。
乾いた指でみぞおちを押してみて、
明日は肉を食べようかと呟く
***
にわか雨が洗い去った街並み
買い物かごに肉の塊を放り入れながら
私はそっと おさまらない腹の裂け目を撫でてやる
裏庭では今夜もカエル達が鳴くことだろう
何度連れ去られても、
(えと いん せくら せくろるむ
(あめん
なお、
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