明日からどこにいけばいいのかを考えた日/番田 
 

俺にとっての人生とは一体何なのかと思った…
今日も道を歩いてもそこに誰もいないのがわかった
仕事中によぎるのはアメリカの西海岸の風景と
金がなければ権力もないのだということ
そして私が無力であるということだった…
生まれたときから人格も体力のかけらもなかった私だ
遠い海外からやってくる観光客はなんなのだろう
誰よりも頭の劣る男なのだということが理解できた
日本に何を求めて彼らはやってくるのだろう?
売れない自動車を転がしている営業マンの連中が
そんなことを一人でぼんやり考えはじめている
私もあんな風に過ごしていた頃があったものだと思った
暮れゆく街並みの中にアクセルを踏み出していくのが見えた
路頭をさまよって死んでいく男もきっと多いことだろう
一人 アパートの中で誰からかけられる言葉もなく

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