月世界にて/
春日線香
縄が切れた首吊り月のころんころん転がってゆく先の湖
黒猫を振り回している友達と目を合わせないように歩く
容疑者は「月がきれいですね」などと供述しており
日記には月齢を書く欄がある そろそろ割れる腹の風船
月世界一望すれば寂しげに観覧車のむこうは闇夜
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