ねむりの箱/四帰
 
 
ひとりぶんの棺桶
そこに闇はうまれず すこしばかりの それでもたしかなひかりが 吊されている

夜があしたに沈むころ
ぼくは蓋をあけなければならない
燦燦と照りつけるほとぼりに
狂喜して焼かれなければならない

寝心地のよい柩のなか
ひびいてくるおおきな足音に 耳をすませている
 

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