汚濁した胸のいたみ/吉岡ペペロ
井戸の底が
ぼくには
霊的な汚濁にしか見えなかった
上から降りそそぐ光や雨
ぼくには
汚濁が降るようにしか見えなかった
ひろがる闇を測るにも
永遠なんて長さはないに決まっているのに
ぼくの物差しでは永遠のままだった
ろうそくのように
その身を滅してまわりを燈していられれば
ぼくはあなたと出会わなかっただろう
みんな
幸福になりたかっただけなんだ
なのにこんなに汚濁した胸のいたみ
井戸の底が
ぼくには
霊的な汚濁にしか見えなかった
上から降りそそぐ光や雨
ぼくには
汚濁が降るようにしか見えなかった
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