感受性/木屋 亞万
 

私の感受性はもう言葉で飽和してしまった

季節が巡るたび
恋をするたび
時の流れを感じるたび
言葉はあふれ出るけれど
それはもう私自身によって語りつくされてしまった

もうすでに多くの語り部が
語りつくしたようなことを
自分の言葉で
自分の感じたままに
表現することは
甘んじて受け入れられる

けれども
すでに語ったことのあるものを
同じ言葉で語り直すことには
どうしても魅力が感じられない

これからどうするのか
これからどうなるのか
私自身よくわからない

感受性にひたすら耳をそばだてながら
言葉を少し眠らせておくことにしようと思う

次に目覚めるのがいつになるのか
眠りつつある私には
まるで見当がつかないでいる

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