言葉をめぐる熱狂 第一楽章/佐々木青
徹頭徹尾、疾走して
しかし敵は言葉そのものにちがいなかった
いちばん近くにありすぎて
誰も言葉が脳みそのジュースを
ストローでおいしく啜っているとは
思いもしなかったのだ
それに気付いた〈彼〉というのは
他人よりジュースが少なかったおかげ
もう吸われつくされちゃった
みんなは今、吸われてる真っ最中で
いつのまにか蚊に血を吸われてしまうように気付かない
「ハハハハハ、オマエタチハ、ワタシガイナケレバソンザイシナイモ同
然ダ」
脳みそのジュースの多い
利口な者はいつも言葉への反逆を試みる
何をするって
言葉を壊しにかかるわけ
「いつまでもやられっぱなしでた
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