月に/ねなぎ
 
あれは

あの頃の月だろうか


路線減少の煽りか
飛び乗ったのは
各駅停車で
遅くなってしまった事と
帰ってからの雑務処理が
シャツに張り付いて消えず
べっとりと重い

大学に落ちたばかりで
言い訳を抱えて
一人暮らしで借りた
一階の角部屋の六畳間
タバコを吸う事も出来ずに
ベランダで煙を吐き
項垂れている日々に
声をかけられた

ふと
どのくらいぶりだろうかと
考えながら
外の景色を眺めていた
戸袋に寄り掛かり
変わっているのか
解らない街並みを
窓越しに眺めていた
住んでたアパートを
通り過ぎる時に
思わず見上げた

隣に住
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