混沌/
岡部淳太郎
なく現象し
私の中の元の混沌は
多くの子どもたちの夢を代りに見ながら
昨日や明日と
変らずに今日も
現象しつづけているだけだ
こうしてまた
内と外の現象が
波となって押し寄せる
その力に揺れて
落ちる葉がある
(それは決して、)
(果実などではなく、)
私は還ってきた
そして私じしんの
心の中にゆっくりと坐って
これらの混沌の現象の中から
宇宙が幼かった頃の声の残響を
探し出そうと
しはじめる
(二〇一一年八月)
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