四季渡り/四帰
踏み付けてやりたい、この臆病な息遣いを
土のまないたに寝かせて
10本の指で隠しただけの双眸を
なまぬるい血を寄せあつめただけの心臓を
どうせくくりつけられた調理台から逃げることなんて できないのだから
電車がながれるよりも速く
ぼくの足は くものうえを走っていく
昨日へのわすれものか
明日からのエスケープか
もしかしたら止まる方法を知らないのかもしれない
湿った暑さが乾き
訪れる静けさに 蝉たちが凍てつくとき
ぼくの両足はやっと うごくのを止めた
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