ドロップとマッコリ/AB(なかほど)
いくつかのよりどころが
いつのまに
消えたり増えたりしている
かけがえのない場所だって
もっともらしい理由をつけて
帰りたくない日がある
ラビのパンの話を覚えている
僕の気持のポケットにも
ときどきにぎっているものがある
それが十円玉のときもあった
小さな
いくつもの
たわいのない
もの
でいいはずなのに
とてもとても
大きく
強いものを
よりどころにする
それが消えたときに
また
こんにちは
って小さなものたちがほほ笑んでくれれば
いいのだけど
君の言葉が
間違っていたわけじゃない
それは確かだよ
ただ
僕の気持
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